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企業が動画制作依頼で本当に気にしている6つのポイント

 

動画制作を依頼されたとき、「とりあえずいい動画を作ればOK」と思っていませんか?でも、企業にとって動画は、ただの映像作品じゃありません。その裏にはたくさんの「気にしてほしいこと」が隠れています。

若いクリエーターの方は、失礼ながら企業の経営者の立場で考えられないのでしょうが、それをちょっと考えるだけで、クライアントとの信頼関係も深まり、次の依頼にもつながります。いくつか、具体的な例を挙げてみましょう。

1. ブランドイメージへの配慮

たとえば、あなたが「スタイリッシュでかっこいい」と思う映像を作ったとしても、企業のブランドカラーやロゴの扱いを無視してしまったら、それだけで台無しになることがありますね。あるクリエーターの実際にあった例ですが、高級感を重視しているブランドが「上品な高級感漂う雰囲気」を求めているのに対し、高級感を派手なものと勝手に解釈してポップな編集をして納品しました。
映像としては若人には面白いかもしれませんが、その企業の高級感漂う重厚なターゲット層には響かず、むしろマイナスイメージになったのです。
そのため注意して頂きたいと思うことは、「企業がどう見られたいか」をしっかり理解して欲しいということです。納品前に「このブランドらしい、求めている高級感が映像になっているかな?」ともう一度考えてみる。他のスタッフの意見も聞きながら検討を繰り返すことです。大きな差が生まれます。

2. ターゲット視点を忘れない

動画を作るときは、企業が誰に伝えたいのか、その相手のことをどれだけ考えていますか?若いクリエーターは「カッコいい」「オシャレ」という面に力を入れますが、それだけでは、必ずしも企業が伝えたいターゲット層に響くわけではありませんね。
知人のクリエーターの例ですが、高齢者向けの広告用動画で、スピード感のあるカット割りや派手なエフェクトを入れたため、結局「文字が早すぎて読めない」という声が多く、効果は半減してしまったのです。逆に、高齢者向けの動画では、細かい文字や説明をエフェクトで飛んだり跳ねたりしてはいただけません。目が疲れるし読めないと、「不親切」と感じられることもあります。
そのため注意して頂きたいと思うことは、クライアントに「ターゲット層はどんな人か」を細かく聞いてください。そして、その人たちがどう感じるかを想像してみることです。これは、プロのクリエイターだからこそできる大事なポイントです。

3. 動画が使われるシーンを考える

動画がどこで、どう使われるかを意識していますか?SNS、展示会、大型スクリーン、テレビCM…それぞれに求められる表現が違います。
あるクリエーターの実際にあった例ですが、ある企業が展示会で使う動画を依頼したとき、細かいテロップがたくさん入ったものを納品しました。しかし展示会では離れた場所から画面を見ることが多く、細かいテロップが読めずに「何を伝えたいのかわからない」と言われてしまったんです。
そのため注意して頂きたいと思うことは、「この動画がどこで使われるのか」を最初にしっかり確認しましょう。そして、それに合わせた画面の見やすさや尺、デザインを考えることが大事です。

4. 修正依頼への対応

正直言って、「修正依頼って面倒だな」と思うこともあるかもしれません。でも企業にとって、修正は「より良い動画を作りたい」この動画には企業として売上に直結する大きな効果を期待をしているのです。だからそれを軽視してしまうと、「このクリエイターに頼んでも安心できない」と思われてしまいます。
あるクリエーターの話ですが、依頼企業からテロップの変更や音量の調整を依頼した際、「それは追加料金が必要です」とだけ言われて、嫌な気持ちになったという話があります。もちろん、契約にない修正をお願いされることもあるでしょうが、企業は「お願いする理由」がある事を考えてやって下さい。
ここで注意して頂きたい修正対応には、単なる作業ではなくクリエーターとの「信頼を築く場」だと思ってください。修正が難しい場合でも、企業が納得できるように、理由を丁寧に説明してください。それだけで印象は大きく変わります。

5. コミュニケーションを怠らない

進捗報告や途中確認を怠ると、企業側は「本当に進んでいるのかな?」「どんな仕上がりになるのだろう」と不安になります。それが積もると、信頼関係が崩れてしまいます。
実際にあった例ですが、あるプロジェクトで、クリエイターが「最後にまとめて見せればいい」と思って途中報告をしなかった結果、納品直前に大幅な修正を求められ、スケジュールが崩れてしまいました。企業側は「もっと早く確認させてくれれば…」と思っていたのです。
このため注意して実施して頂きたいことは、進行中でも小さなサンプルや途中段階のプレビューを見せて、企業に確認を求めてください。「こんな感じで進めています」という一言が、企業の安心につながりますし、途中でも意見を聞けば大きな修正はなく、納期にも問題なかったでしょう。

6. 著作権の意識を持つ

動画の中で使う音楽や画像、フォントなどの著作権を軽視すると、企業が大きなリスクを背負うことになります。
具体にあったお話ですが、フリー素材のつもりで使用した音楽が実際にはライセンス料が必要なものだったため、企業が後で訴えられ、多額の損害賠償を支払うことになったケースがありました。
これこそ本当に気をつけてほしい。「これは本当に安全に使える素材なのか」を必ず確認しましょう。そして、企業にも「この素材はこういう条件で使用します」と説明できるようにしてください。

まとめ

クリエイターの皆さん、企業は単に「いい動画」を求めているだけではありません。「自分たちのブランドや想いを正確に形にしてほしい」と願っています。それには、企業側の視点にたって理解するだけで大きく変わります。どうか、「この企業のために、何が一番良いのか」を考えながら制作に臨んでください。それができれば、クライアントとの関係がもっと深まり、信頼されるクリエイターになれるはずです!

 

著者:東京メディアプロデュース合同会社 代表 斎藤行成

https://www.tmp-tv.com

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齋藤 行成

齋藤 行成

東京メディアプロデュース合同会社 代表 斎藤行成 https://www.tmp-tv.com TBSサービスでディレクターとして番組制作に従事。その後CATV、CS放送、BS放送など放送業界で活躍。 2009年、東京メディアプロデュース合同会社設立。現任で全国放送派遣協会理事​。 ​【執筆】 学研のビデオカメラ誌「ビデオCAPA」に'87 年~'97 年の 10 年間連載。 【テレビ出演】 1992~95 テレビ東京「暮らしのワンポイント」ビデオ撮影のコツ      テレビ東京「情報カレンダー」ビデオ撮影のコツ 1998.5  TBS 昼生ワイド「宮本和知の熱血昼休み」麻丘めぐみにビデオ撮影を伝授 1997.10 日テレニュースショー 「プラスワン」ビデオ撮影のコツ 2001.9 東海テレビ 朝生ワイド「ぴんかんテレビ」 ビデオ撮影のコツ