インフォグラフィック動画とは?事例や作り方をかんたんに紹介
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VFXとは映画などの映像を演出する視覚効果を付与する技術です。現実にはありえない光景や、派手な爆発のように現実では危険が伴う場面を作成するなど、さまざまな用途に活用されています。本記事ではこのVFXの基本的な意味やCG、SFXとの違いの説明から始め、制作過程や活用事例、VFXクリエイターになる方法などを解説します。
VFXとは“visual effects(ビジュアルエフェクト)”の略称です。呼び方は「ブイエフエックス」で、日本語では視覚効果を意味します。端的には「実写映像にCG映像を融合させる技術」です。
単純にCG演出や効果を追加する以外にも、映像をより自然に見えるよう修正するなど、VFXの業務内容は多岐にわたります。映像作品の設定やストーリーに沿ったり、監督の指示などを受けたりしつつ、「映像をよりリアルに見せる/非現実的に見せる」などさまざまな作業方針が取られます。ただ基本的には「実写撮影された映像を対象に、CGなどの画像処理を施す業務」と理解して差し支えありません。
例えば、ブルーバック・グリーンバックを用いた撮影と、その後の合成作業は代表的なVFX業務です。爆発シーンのように、実際に撮影しようとすると危険を伴う映像でも、こうしたVFXの活用で安全に制作可能です。
かつてVFXは大予算のハリウッド映画などでしか使えないようなテクノロジーでしたが、今では経済的にも技術的にも敷居が低くなり、さまざまな映画作品やテレビ番組で利用されるようになりました。最近ではVFXソフトを利用しているYouTuberも少なくありません。
CGとは“Computer Graphics(コンピューターグラフィックス)”の略称で、一般的には「デジタル技術によって作られた画像」を意味します。欧米ではCGI(Computer Generated Imagery:コンピューターで生成された画像)と表記されることもあります。また3D技術によって作成されたイメージも、CGの一種です。
CGはあくまで「コンピューターを用いて作成されるデジタル画像」や「デジタル画像をコンピューターなどで作成する行為・業務」を全般的に指す広い言葉です。その中で特に、「デジタル画像を実写と合成して映像を作る」領域について、VFXという言葉があてられます。このような意味で、CGの一分野としてVFXがあると理解して差し支えありません。
VFXのニーズは主に、「非現実的な効果や演出をデジタル映像として作成して、それを自然に見えるよう実写へ合成したい」というものです。これに応えるために、3D技術が積極的に活かされるケースも多いです。
VFXがCGの一種として包括される一方で、VFXとSFXとは明確に異なる技術です。SFXとは”special effects”の略語で、「特殊効果」と訳されます。
SFXは特殊メイクや衣装、セットなどを駆使して、作品世界をスタジオの中に物理的に技術です。例えば、特撮映画で怪獣に踏みつぶされる街は精巧なミニチュアで制作されています。このように、着ぐるみやセットによって映像制作を行う方法がSFXです。
また、俳優の体にリアルな傷や火傷をメイクしたり、実際に火薬を使って爆発を演出したりするのもSFXの代表的な活用法です。
簡単にVFXとSFXの違いをまとめると、演出や効果をデジタルな手法で実現するのがVFXで、物理的な手法で実現するのがSFXです。用途によってVFXとSFXを使い分けたり組み合わせたりすることで、映像のクオリティや表現の幅をさらに広げられます。
VFXは撮影された実写映像に複雑な加工処理を施すことで実現されます。この間、各作業スタッフは処理対象の映像データを受け渡しつつ、以下のような多くの専門的作業を行っていきます。こうした一連の工程は「VFXパイプライン」と呼ばれることもあります。
・トラッキング
例えば、俳優の手にCGの剣を持たせる場合には、手の動きに剣を追跡させて動かす必要があります。こうしたことを実現するために、カメラや俳優の体の動きにオブジェクト(剣)が連動するようセッティングする作業です。
・モデリング
CGで3Dモデルを作成する作業です。作成するのは、人物・物・背景全体や、背景の部分的要素など、さまざまです。
・テクスチャリング
上記のモデリングで作成する3Dモデルに、色や質感などを追加するプロセスです。モデリングと共に行われるケースもあります。
・エフェクトを制作
画像や音声を加工するなどして特殊な演出や効果を作り出す作業です。例えば、拳銃のリアルな発砲シーンを制作したい場合、発砲時の光や硝煙などの視覚的効果と銃声などの音声的効果をエフェクトとして作ります。
・グリーンバックの映像から俳優を切り抜く
撮影された映像から、グリーンバック・ブルーバック部分を透明化して、俳優の部分だけを切り抜きます。CG背景を合成するための下準備です。
・合成
実写、CGモデル、エフェクトなどのすべての要素を集約して、それらが「ひとつのシーン」として調和的にするように合成します。特に俳優とCG背景とがなじむよう、照明の角度やカメラの動きに注意を払ってマッチさせていきます。
VFXのイメージや活用法を具体的に把握してもらうために、VFXが実際に使われている有名な映像作品を紹介します。もちろん以下の例以外でも、映画・テレビでは日常的にVFXが活用されています。
『シン・ウルトラマン』は、『エヴァンゲリオン』シリーズで有名な庵野秀明氏が企画・脚本を務めたことで話題となった作品です。巨大不明生物「禍威獣(カイジュウ)」とそれに対する銀色の巨人「ウルトラマン」、そして日本政府が設置した対禍威獣チーム「禍威獣特設対策室専従班」を軸にして、新たなウルトラマンの世界が描かれています。
この作品ではウルトラマンや禍威獣など数々の3Dモデルが作成されました。またバトルシーンでは攻撃エフェクトなどがふんだんに盛り込まれています。一方変身シーンなどで伝統的な特撮技術(SFX)も積極的に活用することで、新旧のファン両方を満足させる映像体験を実現しました。
アンカーテキスト:『シン・ウルトラマン』
https://shin-ultraman.jp/
1994年に公開された同名のアニメーション映画をCGでリメイクした作品です。動物たちの王国プライド・ランドの王子として生まれたライオンのシンバが、父王の死や陰謀を乗り越えて新たな王にまで成長する物語が描かれています。
本作品の映像は非常にリアルですが、動物も風景もほとんどの部分がCGで構成されています。冒頭に出てくるサバンナの太陽だけが実写だということですが、言われなければわからないほどです。このように、ほぼフルCG作品の中でも部分的に実写素材を使用しているケースも、多からずあります。また、本物の動物や自然環境を監督の思い通りに動かすのは難しいため、それらが重要な役割を持つ作品では、CG・VFX技術の活用が不可欠になります。
アンカーテキスト:『ライオン・キング』
https://www.disney.co.jp/movie/lionking2019.html
世界的に高い人気を誇るSFシリーズ『スター・ウォーズ』は、最新のVFXを駆使していることでも有名です。それは同シリーズの完結作『スカイウォーカーの夜明け』でも同様で、多くのシーンがVFXで表現されています。
例えば、主人公のレイと敵役のカイロ・レンが海上で戦うシーンの撮影時は、機械を使って撮影現場へ大量の水が実際に投入されていました。しかし、機械で発生させた水の動きは、海の波には見えませんでした。そこで撮影後の映像から現実の水の部分を消去し、CGの水に差し替えました。また、シリーズを通しての重要人物レイアを演じていたキャリー・フィッシャーは、同作品の制作時にすでに亡くなっていましたが、VFXによって出演が果たされています。
アンカーテキスト:『スター・ウォーズ エピソード9 スカイウォーカーの夜明け』
https://starwars.disney.co.jp/movie/skywalker.html
続いては、VFXを活用するメリットを解説します。
現実に存在するものと架空の映像を合成するVFXを活かせば、現代以外の時代や場所でも自由に映像化できます。例えば、昭和の時代を描いた映画『ALWAYS三丁目の夕日』では、当時の街並みをVFXで表現しています。
架空のものをリアルに表現できることもVFXの強みです。例えば『ジュラシックパーク』シリーズでは、恐竜の多くがCGで作成され、実写の俳優たちと違和感なく合成されています。
また炎や雷といった自然現象を作者側の意のままに表現したい場合などでも、VFXが活用されます。ほかにも近年の映像作品では、俳優の顔を自然な仕方で若返らせる・年老いさせるなどのVFXも用いられています。
VFXを使えば、現実には不可能な行為や撮影困難な状況も、映像化できます。例えば、ワイヤーアクションの実写映像からワイヤーを消去すれば、その俳優が自力で超人的な跳躍や飛行をしているように演出可能です。また、銃弾や爆発をCGで作成することで、戦場のシーンなども、俳優を危険にさらさないようにしながら制作できます。このようにVFXを適切に使用することで、高い躍動感・臨場感の演出も自在に行えます。
ここまで紹介してきたように、VFXは映像制作において非常に大きな役割を果たしており、その仕事を専門的に請け負うVFXクリエイターには高い需要があります。
VFXクリエイターになるには、「Maya」「3ds Max」など、3DCGソフトに習熟することが必要です。また「Photoshop」の使用能力も求められます。
こうした知識は専門学校などで学ぶのが一般的ですが、独学も不可能ではありません。ただし、VFXに必要なソフトは基本的に高額なので、その点は注意が必要です。中にはフリーソフトもありますが、本格的にプロのVFXクリエイターを目指すなら、機能やサポートなどが充実した有料ソフトを導入した方がいいでしょう。
3Dスキル以外では、物理学・力学の知識があると有利です。VFXでは各オブジェクトの運動を、物理法則に則って制御するケースが少なくないからです。また、3Dソフト関連の資料は英語で書かれていることも多いため、英語力があるとなお有利でしょう。高い英語能力を持っていれば、海外企業との仕事にもつながります。
早くから企業に自分を売り込むための努力を重ねることも大切です。学生時代から制作活動を行い、これまでの実績をまとめたポートフォリオを準備するようにしましょう。
先に紹介したように、VFXの工程には多くの作業があります。その中で働くには、他の担当者や監督などの意見を正確に理解しながら、自分の担当業務をこなす必要があります。したがって、協調性やコミュニケーション能力も必須と考えられます。
VFXとは実写とCGを融合することで、現実では起こし得ないさまざまな表現を映像化する技術です。「VIDEO BRIDGE(ビデオブリッジ)」では、VFX制作も含め、さまざまな映像案件がリストアップされています。仕事を探している動画制作者、または動画制作者に仕事を依頼したい方も、ぜひご利用ください。
VFXとは? CGやSFX技術との違いと活用事例
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